Note:人間の意思に係わりなく存在する自然界の力:作用(Natural Laws)
(1)『慣性力と摩擦』:慣性力(Inertia)は二つの面からなり、その一つは外部からの作用が働かない限りそこに止まり続ける現象。もう一つは逆に動く物体はそのまま直線的に動き続ける現象。運転中にコントロールするアクセルやブレーキの作 用に対しては常にこの慣性力が働いている。
摩擦(Friction)は二つの面からなり、片方の面が動く(作用)時に他の面が離れないように働く力(反作用)。摩擦は運動エネルギーを限りなくゼロにする力と言え、そのエネルギーを熱や光に変換することが多い。
(2)遠心力(Centrifugal force)と重力(Gravity): 遠心力は円運動している物体の接線方向に働く力。円運動の外側に働く力をいう。重力は地球の中心に向かって物体に働く力。どちらも運転中の加速または減速に大きな影響を及ぼす。
(3)運動エネルギー(Kinetic energy/Momentum): 運動エネルギー(Kinetic energy)は、運動している物体が持つ、運動を停止させるために必要なエネルギー(仕事)。ニュートン力学的には、等速直線運動をする物体の運動エネルギーは、質 量 m と速さ v の2乗に比例する。
(4)作用と反作用(The law of action and reaction): ある方向の力の存在に対し、その逆向き(反対する)に働く力の存在をいう。森羅万象に働く力。
(5)スリップ(Skid)とハイドロプレーン現象:運動エネルギーが摩擦力を上回った時に働く直線的な力。ハイドロプレーン現象は車が高速(時速40マイル以上)で走ると、雨などの降り始めの10~15分間くらいと既に路面が濡れている場合、 路上に張った水や油の薄いフィルム状の層の上に車輪が浮く現象。いずれもブレーキが利かない危険な状況にある。急ブレーキや急ハンドルは避け、アクセルから足を離した状態で摩擦が戻って来るまで進みたい方向にゆっくりハンドルを操作する。ちなみに、路面がドライで車両のブレーキングシステムが正常な状 況下では『Braking distance in feet = (Speed/10×Speed)/2』であることも覚えておくとよい。