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コンソール計器の見方と知識

コンソール計器については、以下にある計器の中から主に4つの計器である。

  • スピード計(Speed Meter)

    =スピードを示す計器

  • タコメーター(Tachometer)

    =エンジンの1分当たりの回転数を表す計器
    初心者にはアクセルの踏み込み具合をつかむのに便利な計器である。通常、アイドリングで800回転であるから、1000~1200 回転の微妙なコントロールができるようにする(つなぎのアクセリング)。

  • ラジエーターサーモ計(Radiator Thermometer)

    =エンジンのオーバーヒートを防ぐための警告用計器
    エンジンの熱を放出する冷却装置、冷却水が摂氏100度を越えても沸騰しないよう加圧してある。

  • ガソリン残量計(Gas Meter)

    =ガソリンの残量を示す計器
    FullからEmptyまでガロン単位で示している。ガソリンの残量が少なくなると補給するタイミングを教える警告灯がつくようになっている。

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基本的な車両コントロール能力をつける

●基本的な車両コントロール能力 (Basic Vehicle Control)

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サイド、バックミラーの合わせ方と使用方法

  • 運転席にあるバックミラー(Back view mirror)は後部窓の四隅にミラーの4つの角が重なるように合わせるとよい。サイドミラ ー(Side view mirror)はドライバーの目線を変えずに自分の車が少なくとも1/3以上 がミラーに見え、後方の景色が自然に見えるような角度に合わせる。

    ※後方の車が坂を登って来るような、または坂を下って来るように見える時は、ミラーが正しい位置になっていない。

  • 2

    方向指示器とワイパー操作

    方向指示器の操作は、左手をハンドルから離さずに左右とも指(人差し指、又は中指) でレバーを引っ掛けるようにして操作する。なお、スモールライト、ヘッドライトのスイッチオン、オフについても、 ヘッドライトのロービーム、ハイビームの操作もこのレバーで操作できる。 ワイパーの操作については、方向指示器と 反対側にある右のレバーで行う。

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少しの知識さえあれば、迷子にならずにすみ、更に間違った場合でも、大方の自分の位置や進む方向がわかっていれば、それほど慌てる事はない。

先ずは、一番大きな幹線道路(インターステーツハイウェイ)に焦点をしぼる。幹線道路には必ず番号が付加されているが、最後のケタが偶数と奇数に別れている事を念頭におく。

まず奇数であるが、有名な95ハイウェイは、メイン州から始まって、マイアミまでほとんど縦一直線につながる。また、アメリカの中心を走るハイウェイ35はカナダの国境から南の先端まで、これも一直線につながっている。西の端のハイウェイ5も同様である。このように奇数番号のハイウェイは南から北へ、北から南へと、国土を南北に縦断する道路であり、また、西から東へ若い順に番号がつけられているのである。 言葉を変えていけば、インターステーツハイウェイの番号を聞いただけで、アメリカにおける位置が大雑把に判断できるという訳である。

一方の偶数は、南の方から北へ、順に目をうつしてもらえると、最南の10に始まって北の90まで、偶数道路はアメリカを東西に横断している道路であり、南から北へ向かって番号が大きくなっていく。もう一つの伝えるべき点は、2ケタの番号が70など、10で割り切れる場合は西から東まで貫通している事である。94など10で割り切れない偶数は途中で90等の大幹線に併合される事を意味する(2、3の例外を除く)。

  • またワシントンD.C.のように番号が3ケタになっている場合がある。495、295等これは基本的に95ハイウェイであるが、市の周りを取り巻いている環状線であったり、市の傍を通り抜けたりして元の幹線道路につながっていく。

    これは3ケタの数字の頭が偶数の場合である。次に3ケタの数字の頭に395、180等奇数がついた場合、元の幹線道路ナンバーに奇数が付加された物は市の真ん中に真っすぐ入り、そこが終点となり、元の幹線道路には直接つながらない。

    従って95を真っ直ぐ北上するためには495か、295をとるべきであり、もし間違って395に入ったら、どこかで引き返した方がシティの中に入り込んでうろうろするより早道である。たったこれだけの知識だけも、287と聞いただけで、他の縦断道路から、87スルウェイにつながるバイパスだということが分かる。

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●手信号 (Hand Signals)

  • 左折

    (LEFT)

  • 右折

    (right)

  • 停止

    (stop)

●USAの地図の見方(道をまちがえない一つの知識)

道に迷って自分の位置がわからない時、人はパニックに陥りやすい。パニックは事故の最大の原因であり、パニックに陥らないためにも、前もって道を間違えない知識を身につけておくことが大切である。

まず第一に、自分の行き先を地図ではっきり確認して出発する事が大事である。 アメリカのハイウェイ(高速道路)は非常に論理的であり、地図さえ見れば目的の場所に必ず行けるようになっている。また、ハイウェイの番号には意味があり、

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●他のドライバーとのコミュニケーションが必要になる時の具体例

  • Example 1.

    あなたに試験官から3ポイントターンをするよう指示があった。まず既にプルオーバーしたあとで、シグナルを右に出しているが、 いよいよ左に切り返し、車の移動に掛からなければならない。双方向の道路をよく確認したつもりでいたが、右から左の縁石へ 移動を開始したとたん、対面から車が接近して来た。あなたは判断に迷いがあって、結局左側縁石近くまで来てしまった。しかし、 通過を妨げられた車はそこをどけとばかりにホーン(クラクション)を鳴らしてさらに接近して来た。

あなたは今ここで何か行動を起こさないといけないが、対処する方法は二つ。一つはあなたの後方、センターライン側を件の車が通過できるスペースを確保し、ウェービング(手で合図)をして通過させる。もう一つは、あなたがセンターライン後方まで急いで後退してスペースを確保のうえ、ウェービングしてそこを通過させる。ここで必ずウェービングして通過を促すことが、相手車両の優先権を譲る行為になる。これが重要な相手ドライバーに対するコミュニケーションである。

Example 2.

あなたは試験官に直前のコーナーを右折するよう指示された。その時コーナーの右手前で歩行者が一人、あなたの接近に気がついて立ち止まろうとしている。 あなたは後続車の動きが気になりスピードをあまり落とさず曲がってしまったため、歩行者は驚いたように後ずさりした。この行為の結果は言うまでもなく「失格」である。歩行者に対する優先権の侵害、並びに危険な運転をしたとして試験官から厳重な注意を受けることになる。少々困難な状況下だが、この対処方法としては、あなたはポンピングブレーキやハンドシグナルを使って速度を落とす意思があること後続車に伝えたあと、歩行者との距離を詰めずに優先権を譲る合図を送り、歩行者の進行を妨げない行動をとることが大切である。

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合流のタイミング

  • もうひとつ、優先権にかかわる要素は同着というタイミングである。対面道路と交差する道路の流れのなかで1台の車両と同着した場合、交差する道路の右側にある車両が優先。もしあなたから見て同着の車が左側にいる場合、優先権はあなたにある。 複数の車両と同着した場合、あなたから見て常に一番右に位置する車両が第1優先、 その次が第2優先となる。そしてあなたが 一番左に位置する車両であればあなたは優先の順位が一番最後となる。

    最後に、対面交通同士で同着という場合、 先述の大原則である直進が第1優先、右折が第2優先、そして左折が第3優先という規則を遵守する。なお、左折待ちが必要なタイミングでは、あなたは必ず交差点中央付近に進み、ストレートポジション(前輪のタイヤと車両の傾き両方)にして待機することを忘れないようにすること。

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    優先権を制御する信号、道路標識

次にSTOPサインが全部の道路(All Way Stop)にある場合は、基本的に十字路 の交差点と同様である。逆に全部の道路にSTOPサインがない場合、優先権は先入車にあり、どの車両も他のドライバーに注意して通行する。また、一つだけ STOPサインがない道路がある、即ちその道路を除いた他の道路にはSTOPサインがある場合、そのひとつの道路が常に優先道路であり、他の道路から来た車両はAll Way Stopのルールに従うことになるので特に注意する。

●他のドライバーとのコミュニケーション

優先権において、他のドライバーとコミュニケーションをとる場合がある。 コミュニケーションが必要になる典型的な例として、パラレルパーキング(縦列駐車)や3ポイントターン、また、横断歩道付近での歩行者や火急な対応が必要な場合が挙げられる。それ以外に救急車両やスクールバスのドライバーとのコミュニケーションが必要な場合もあるが、いずれもまず優先権を判断基準に安全な対応が求められる。

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(All Way Stop): 十字路全方向にSTOPサインがあれば、そこで停止した順番がそのまま優先順位になる。もしあなたが一番にSTOPサインで停止したのであれば、あなたに優先権がある。

  • 五叉路(ごさろ)

    五叉路の道路では、信号機の有る無しと、STOPサインの有る無しの場合を分け て判断する。ここで大事なことは道路が何本交わっていようと優先道路は常にひとつしかないという認識。信号機が青になったタイミングの道路が言うまでもなく優先道路で、時間差をおいて優先道路が交代する。

  • ロータリー

    ロータリー(Rotary/Traffic Circle, Round- about)での優先権は、既にロータリーに入っている車両にある。これからロータリーに入ろうとするドライバーは道路標識に注意して、STOPサインがある場合は一旦停止して、安全を確認の上、ロータリーに入る。YIELDサインの場合、ロータリーに他の車両がなく安全に侵入することが出来れば停止する必要はない。そうでない場合は、 ロータリー進行中のドライバーに優先権を譲る。その時必要であれば停止して、安全が確保できる状態になったら進む。

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道路の構造

  • T字路

    T字路は基本的に交通量が多い方の道路に優先権がある。交通量が多いという判断は、より道路の幅が広い方、センターラインや車線区分が多い方の道路などが該当する。その判断の上で、最終的にはSTOPサインやYIELDサインのある道路側が、それらサインのない方の道路から来る車両に優先権を譲るのは言うまでもない。T字路はいつも直角に交わるとは限らない。左または右にアングルして合流するような道路、あるいは左または右に分岐する道路などがあり、サインを見落としたため優先権がどちらにあるか判らなくなる場合が多いのでドライバーは注意が必要。

  • 十字路

    十字路では車両が交差する流れと対面の流れの二つがあり、それを区別して優先権を判断する必要がある。ここでも優先権を決定する上で重要なのは信号機や標識である。

    信号機がある十字路では対面する信号機がもし青(Green)であればあなたは優先道路にいる、即ち交差する側の信号機は既に赤であり、交差する道路の流れに対し優先するということを意味する。

    十字路であなたの対面の道路にSTOPサインがあれば交差する側の流れが優先であり、逆に交差する道路にSTOPサインがあれば、あなたに優先権がある。


もうひとつが対面道路の優先権。対面交通に関しては常に直進が第1優先、右折が第2優先そして左折が第3優先となる。ここでもうひとつ、対面の流れのなかでタイミングを判断してあなたが左折の時でも対面の直進車や右折車より優先して通過が出来る場合がある。この判断基準は常に安全な時間と空間的余裕 (Time and Space)がなければならない。これを誤ると「優先権の侵害」となり、例え事故にならなくても交通違反であることに変わりはない。

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優先権が発生する場所

  • Ex1. 私道(Driveway)からの侵入者

    双方通行、一方通行に関わらず、本線を側面から侵入して来る車両がある場合、つまり私道(Driveway)から出ようとしている車がある場合、優先権はあなたにある。先方があなたの接近に気がついていない場合、通行を妨げられる恐れがあるが、この場合はホーン(クラクション)を鳴らして先方に注意を促し、安全なタイミングとスペースを確保して進行する。

  • Ex2. 対面者からの侵入車両道

    対面道路に障害物があり、対面車両があなたの車線に侵入して来ることが予測できる。この場合、原則的に優先権は車線変更 の必要のないあなたにある。しかし障害物までの距離が対面車両の方が近ければ、あなたはスピードを落として対面車両に優先権を譲る。その逆の場合、速度を維持して そのまま進む。いずれにしても2台の車が障害物で狭くなっている地点を同時に通過するようなタイミングは避けなければならない。